このアーカイブについて
1925年、日本における協同組合活動から一冊の雑誌が生まれました。
それが『家の光』です。
『家の光』は1935年に印刷部数100万部を超え、1960年代には180万部を突破、農業協同組合のネットワークを通じて数多くの人に読まれてきた雑誌です。
創刊から100年を経た現在も、農業・農村や協同組合に関わる出版活動を続ける家の光協会には、編集の過程で撮影された膨大な写真原版(ネガ)が保存されています。
1950年代から1990年代にかけて撮影された写真原版は約2万件にのぼり、写真のコマ数にするとおよそ4~50万枚相当と思われます。
そこには、全国各地の農村の暮らしや共同活動だけでなく、文化、産業、観光、社会問題など、当時の社会が多角的に映し出されています。
科研費を用いてこれらの写真原版の目録を整理し、国立歴史民俗博物館の助成を得て、戦後とくに高度紙長期の変化をよく示す写真を選び、研究者による短い解説を付して、読んで学べる形で公開しました。
私たちは写真のすべてを検討したわけではなく、本アーカイブは研究の途上にあるものです。それでも、日本社会の歩みを伝える貴重な記録として、同協会のご協力のもと公開することとしました。
2026年3月には長野県にて、飯田市歴史研究所の協力を得て写真展を開催し、来場者の方々に当時の記憶を語ってもらい記録する、オーラルヒストリーも行いました(そのため、本アーカイブには長野県の写真が比較的多く含まれています)。
写真に写る場所や人々についてご存じのこと、あるいは当時の思い出などがありましたら、ぜひお知らせください。
皆さまの記憶が、このアーカイブをより豊かなものにします。
2026年5月 研究代表者 安岡健一
研究メンバー
高科真紀、岩島史、齋藤邦明、坂口正彦、輪島裕介、坂田謙司、河内聡子、吉賀夏子、橋本雄太
写真展
飯田市歴史研究所(伊藤悠、岩田会津、羽田真也)
聞き取りボランティアの皆さま
協力者
阿久津美紀、志田達彦、伊藤静香、座間味希呼、村上雄治
グラント
令和7(2025)年度国立歴史民俗博物館日本歴史文化知奨励研究(公募型)「家の光協会所蔵・映像資料に基づく地域社会像の総合的研究」
科学研究費基盤(B)「戦後日本の「農村メディア」と地域社会の総合的研究:家の光協会所蔵資料を中心に」(23H00667 (2023))
主な参考文献
家の光協会編(1949)『家の光の⼆⼗五年』家の光協会。
家の光協会編(1959)『家の光三⼗五年⼩史』家の光協会。
家の光協会編(1968)『家の光の四⼗年』家の光協会。
家の光協会編(1976)『家の光五⼗年の人と動きと』家の光協会。
家の光協会(1986)『家の光六⼗年史』家の光協会。
家の光協会(2006)『家の光80年史』家の光協会。
家の光協会編(2025)『家の光百年史』家の光協会。
奥むめお『台所と政治』大蔵省印刷局、1952年
関東農政局『関東農業情勢報告 昭和40年度』1966年
小塩海平「土なし農業の行方」ウェブサイト『生環境構築史』第2号、2021年
中央機関青果共同対策室編『施設園芸団地造成の手引き』全国農業協同組合中央会、1970年
無署名「米麦の包装について」『農林弘報』306号、1961年